代表挨拶
当スタジオは、私の父が創設してから今年で54年を迎えます。
もともとは日本舞踊とクラシックバレエを指導する教室としてスタートしました。
その中で先代が強く感じていたのは、「舞踊に最も大切なのは呼吸である」ということ。
そこで父は、より深く呼吸と身体の関係を探求するために、ヨガの研究を何年にもわたり積み重ねました。
そしてたどり着いたのが、“呼吸と心と身体がひとつになる”ヨガという道。
その想いと確信から、ヨガ専門のスタジオが誕生しました。
私はその意思を受け継ぎ、二代目としてインストラクターの育成や日々のレッスンにあたっています。
私自身もヨガの実践を深める中で、特に「瞑想」に強く惹かれ、今ではライフワークとなっています。
瞑想をしたきっかけ
私が瞑想を始めたのは、いつしか“評価されること”ばかりを追い求めていた自分に気づいたことがきっかけでした。
人に認められることでしか、自分の価値を感じられなくなっていた頃、
ふと、心の奥から**「自分って一体、何者なのだろう?」**という問いが湧き上がりました。
そんな時に出会ったのが瞑想です。
それは、**「内なる自分と対話する時間」**の始まりでもありました。
瞑想の自分なりの効果

人生を通じて私たちは、「好きな自分」や「嫌いな自分」など、たくさんの“自分”を内側に抱えるようになります。
私もまた、その多くの自分の間で対立を感じ、心が乱れることがありました。瞑想を続けることで、そうした自分同士の対立に少しずつ調和が生まれ、これまで否定していた一面すらも、受け入れられるようになっていきました。
心のざわつきが静まり、やがて深い安堵感が訪れる——そんな体験を何度も重ねてきました。
現代人に瞑想が必要なわけ
情報や刺激にあふれた今の社会では、私たちの意識は常に外へ外へと向いています。
SNS、ニュース、仕事、人間関係——
「本当の自分は何を感じているのか」すら、分からなくなっている方も多いのではないでしょうか。
自分の“内側”と“外側”の感覚がズレたまま、時間だけが過ぎていく。
そうした状態が、不安や不調の正体かもしれません。
瞑想は、そのズレを整え、自分と再びつながるための時間です。
それは、現代を生きるすべての人にとって、必要とされている心のメンテナンスだと私は感じています。
ヨガに対する想い
ヨガとは、ポーズを取ることだけではなく、
**「心と身体の対話」**であり、
**「日常を丁寧に生きるための技術」**だと私は考えています。
忙しさやストレスに追われ、自分のことを後回しにしてしまう現代人にとって、
ヨガは、自分を大切にするための時間であり、暮らしそのものを整える道しるべです。
ワタナベスタジオでは、そんなヨガの本質を、長年の歴史と共に、これからも多くの方に伝えていきたいと思っています。
呼吸を深め、心を静め、自分を見つめ直す時間——
ぜひ一緒に過ごしてみませんか。
── 渡部広重(ワタナベスタジオ代表)